■バルーンと音楽 その1
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私はよくよく、バルーンを既存の芸術に例えるとしたら「音楽」だなぁと思うことが多いです。
バルーンと音楽との勝手な考察をしてみます。 |
バルーンでものを作っているとよく聞かれる
「よくこんなのを覚えられますね」
そう言われると僕はこう返します。
「体が覚えているんですよ。音楽なんかと一緒で染みついたものを奏でてるだけなんです」
別に気取っているわけではなく、僕はよくよくこう思います。
バルーンを始めた頃や、新しい作品を考えた時には頭も使いますが、そのうち慣れてくると、リクエストされたものや、次作ろうと思ったもののレシピを思い返さなくてもパッと体が反応して作り始めます。
よく、バルーンを一度作って「覚えた!」「出来た!」と言う方がいますが、それは一度だけ楽曲を通してみた、とりあえず奏でてみたという程度の事に過ぎず、体と頭に刻み込まれた物ではないので、すぐに忘れてしまうと思います。
バルーンは記憶力ではなく、反復で覚えた体に染みついたものから作り出している。そう思います。
私は「速い」と言われる事が多いのですが、それはおそらく人より沢山バルーンをひねっているからだと思います。
バルーンを初めて作る→楽譜をなぞる
思い出しながら作る→思い出しながら弾く
ある程度スムーズに作れる→失敗なく弾ける
リズミカルにトークを入れながら作れる→リズミカルに他のことを考えながら弾ける
スピーディに仕草や表現を入れながら作る→感情やアドリブを入れながら弾く
とこんなイメージです。
バルーンを作るにあたっては「センス」なんてものは存在せず、ただ練習をやった時間やバルーンのことを考えた時間ががそのまま技術や速さ、創作数に繋がっていると思っています。
私が人より5倍速く見えるのであればそれは人より5倍練習して、5倍考えているからです。
逆に言うと特別なことではなく、練習したり考えた時間の分だけ誰でも必ず上達します。
これは必ずです。絶対です。楽して覚えたり楽して速くなる方法なんてない、ましてやセンスや生まれつきで速く作れる人なんて居ないです。努力は結果を裏切らない。それはバルーンも音楽も一緒です。
さて、話しを変えて。バルーンで作品を覚えたり、新作を作り出すときの事ですが、これも似ている物だなぁと思います。
最初は楽譜を見ながら、コード一つ一つを確認して音をだして、徐々に覚えてAパート、Bパート、サビと順に少しずつ覚えていきます。そのうちになんとか通して弾けるようになり、何度も練習していると体が覚えて、演奏しながら他のことを考えたり、アレンジを加えてみたりする。そして、次の曲に進んでも体は覚え続けている。
あの感覚と一緒だなぁと。
バルーンは楽器
バブルやカラーは音符
組み合わせはコード
パターンはフレーズ
私のイメージではこんな感じかな?
さて、バルーンの話しに戻します。
今までは音楽に例えて話しを進めてきたけど、音楽をやる感覚をバルーンに投影してみたらどうなるでしょう?
僕の場合はバルーンを作るときや、考えるとき、覚えるときはまず全体のイメージを思い浮かべます。
既存のキャラクターであればそのものを、オリジナルであれば一番ニーズにあったものを。
次に、イメージに合わせて曲を作り出しますが、まったく1から作ることはなく、大体が先人達の作ってきた作品や自分の既存の作品から楽曲やコードを取り出し、イメージに合わせた形になるように音を当てはめていく。
音がずれていると思ったらやり直し、曲が納得いくものになったら体にしみこむまで覚え込ませる。
そして、弾けるようになったら、聞いている人を感動させれるように感情や、思いを込めて弾けるように繰り返し練習を重ねている。
音楽には自分で奏でて自分で楽しむ楽しみ方もあるとは思うけど、ツイスターの大半は相手ありきの場合が多いのではないでしょうか?
その時に、自分自身の奏でる音が、聞き手をどのように喜ばせれるか、如何に楽しませれるかを考えてみると面白いと思います。
ただ、楽譜を追っているだけではないだろうか?
目は聴衆に向いているだろうか?
演奏を楽しんでいるだろうか?
もちろん段階的にはまだまだ楽譜を覚えている最中という方も多いと思うけども、ただバルーンを作るのではなく、
「自分は音楽と同じように芸術を作り出している」
という自覚をもってひねると一気に視点が変化して、新しいステップへ進めると思います。
(H21.10.17)
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