こちらの文章はツイスターズ2014の講座内容を文章化したものです。 ところどころ口語的なものや脈絡ない文章が出てきますがご了承下さい。 その1.パフォーマンスとは 昨今、バルーンパフォーマーの数が増えていますがほとんどの方は作れる作品を時間の中に順番に繋ぎ合わせて、最後にレパートリーの中で一番大きな自信のある作品を据える事を「ショー」と呼んでると思います。 一応、間違いでは無いのですが…。 ネタの順番を決めるだけというのは「構成」ではありません。 バルーンは他のジャンルと違い、事前準備することが出来ます。事前に可愛い作品を大量に仕込んでおき、本番にはそれをバンバン出していけば、なんとなく出来てるようなそれっぽいショーになってしまいます。 でもそこに「自分は」居ますか?バルーンを仕込んで出すだけであれば誰でも出来ると思いませんか? 他のジャンルのパフォーマンスでは「凄い!」という賞賛はパフォーマーに向けられます。 ジャグラーの道具が、パントマイマーのかばんが凄いと言われることはほとんどなく ペインター系の凄い良い絵を描く人ですら書いた人に対して賞賛が向けられます。 しかし、バルーンはどうでしょう?? 僕の見たところ、作品と作り手、演じ手に対しての賞賛は6:4ひどい人は9:1くらいになっていると思います。 バルーンに対しての賞賛を自分に対しての賞賛と勘違いしている。 それだけで自称バルーンパフォーマーの数がやけに多く、そしてレベルが他のジャンルの平均値に比べて極端に低いことの一端だと思われます。 パフォーマンスとは、用意されたステージの中でバルーンの作品を褒めてもらう場所ではないんです。 それで良いかもしれませんが、そうではないと思います。 せっかく講座にご参加頂いたのであれば、皆さんには違う所を目指して欲しいんです。 じゃあそもそも「パフォーマンス」とはなんぞということに対して、今現在の僕の答えは 「パフォーマンスとは、自分の生き方、価値観、考え方を含めて自分を表現すること。」 そう思っています。 ショーの構成を考える時にはこれが一番重要で、まず「自分が何をしたいか」 そ れを定めてからにしなくては行けません。前述の通りそれがなくても物量押しでそれっぽい面白っぽいショーにもなってしまうのがバルーンですし、よく分から ずともやっていたら自然と方向性が後追いして来たり、なんとなく中身が見えてきたということもあると思いますが、出来れば皆さんにはまず根っこから考え る。 もしくは今理解できなくても将来的に気付くキッカケになればと思い敢えて考えて頂きたいと思います。 その2.自分が何をしたいか…ショーの方向性 ではまず「自分はショーで何をしたいか」そこからはじめて行きましょう。 まずみなさんはどういう目的を持ってパフォーマンスをやっていますか? 恐らく多くの方はお客さんを楽しませる、笑顔にする的な事を言うかと思いますが、それは当たり前でそんなのはみんな考えてます。 パフォーマンスを、ステージをやっている人はそれは絶対条件であり、どんなショーを作りたいのか以前の問題です。 お客さんにまずい料理を出そうと思う料理人はいませんよね? 不快になる演奏をしようとする音楽家はいませんよね? まぁ、そういう綺麗な事を言っておいたほうが仕事は来やすくなりますし、まぁそう思っていればそんな酷いショーをすることは無いかと思うので表向きはそれでも良いかと思います。 ただ、今日は僕の講座ということでズバリ言わせて頂きます。それではダメです。 極端に下手なバルーンであったり、よほど不快な事をしない限りバルーンショーというものはほとんどのお客さんは楽しんで笑顔で帰ると思います。 でも、それではダメです。 じゃぁ、何を考えたら良いかというと まず自分の欲を、自分の中の煩悩を見つめて上げて下さい。 「バルーンで人を幸せにする!バルーンで人を笑顔にする!」 そういう言葉は聞こえが良いですが、あくまで「バルーン」が人を幸せに、人を笑顔にであって自分じゃないですよね? バルーン自体が人を楽しませる、人を笑顔に出来るんなら別に自分じゃくてもいいんじゃない? 他の人が自分のバルーンを使ってやってもいいんじゃない? と考えた時に、それでも自分がやる理由。やりたい訳。 そういうところに隠れているのが自分自身を強く支配して、無意識下の行動原則に働きかける強い力である「欲や煩悩」であり、まずそれを探してあげて下さい。 その3.自分の心と向き合う 欲とか煩悩とかいうとすぐに切り離されてしまいがちな言葉に聞こえますが、決して悪い言葉ではなく僕は人格を形作る一番大事な部分だと思います。 そしてパフォーマンスはバルーンではなく、人が行うこと。 自分自身の事=欲や煩悩を理解せずして自分を表現すると、おそらく嘘や偽りで固めた違和感のあるツギハギなショーになってしまうと思います。 一度皆さん自身の中で考えてみてください。 「この素敵なバルーンをみんなに広めたい」 「この作品は絶対にウケる!これをみんなに見てほしい!そしてすげーって言ってほしい」 「この作品は俺の自信作だ!だから他の人がやらない今のうちにやってアピールしておきたい」 「普段冴えない自分だけど、バルーンをやってる時だけはちやほやされる。俺は認められたい」 「あれ?バルーンの仕事って意外とお金もらえるな…。手抜きでもカタチになるしお金ほしいからやる!」 「バルーンをやっていると女の子が集まってくるんです。とりあえずモテたい」 色々と人には言えないところが出てくると思いますが、それは言葉に出す必要はありません。 表向きは「バルーンで人を幸せにする!バルーンで人を笑顔にする!」 それで別に良いんです。 ただ、その言葉に隠れて「自分の欲」という凄いエネルギー源が隠れたままにしておくのはとても勿体無いので自覚して、認めてあげること これがまず第一歩です。 簡単な例を上げると、 表向きは「俺は勉強一筋なんで…モテたいとかって思ってないし」というモテたいさん。 多分、服装も言動に合わせてかっちりまじめくんの格好をするかと思います。 でも、そこで 「自分は勉強一筋…なところは変わらないけど、やっぱりモテたい!モテるためにはどうしたら良いの?」 っと自分を受け入れたら、ファッション雑誌を買いにコンビニに走り不器用ながらも眉毛を整えて、ユニクロであってもおしゃれに気を使い、 勇気を持って女性に声を掛ける…。 と迄はならないかも知れませんが、自覚して受け入れてそこから実際の行動が劇的に変わるかと思います。 今回向き合って、己の欲が出てきた人はそこを内面の目標に位置づけて本気で考えてみてください。 「とにかく認められたい自分、もっと認められるにはどこを変えたらいいんだろう?」 「人を笑顔にしたい…けどやっぱりお金は大事…。お金に余裕が出来たらもっと好きなショーをできるかな…」 「やっぱり自分に自信がない、自分は嫌いだ。だったら好きになってもらえる自分をショーで作ってみよう」 欲を受け止めて、考えるだけで自分のショーに対する必死度が今までとは全く変わってくると思います。 ここでもまだ「バルーンで人を幸せにする!バルーンで人を笑顔にする!」 と考える人は、どうぞそれを本気でやって下さい。多分今でもお客さんはそこそこ幸せでそこそこ笑顔ですが。 これは蛇足かも知れませんが、無償の愛というものは多分存在しません。 マザーテレサでさえ無償の愛を注ぐことを自分の喜びとして、その喜びを得るという欲のためにやっていたのだと思います。多分。 パフォーマンスは己の生き方を、価値観を、考え方を表現するもの まずは自分と向き合い、自分はホントは何をやりたいのか、それを見つけて受け入れてそこからスタートして改めてパフォーマンスについて考えて頂きたいです。 本来は講座の冒頭にササッと話して次に進む予定でしたが書きたいことが多すぎて、リハをしてみたら20分近くの時間をとってしまいましたので別途文章として書き起こしてみました。 見直しも訂正も殆していないので誤字脱字、そもそもの論理破綻など山ほどあるかと思いますが、それも含めてSyanですので適当に流して頂ければと思います。 こういう頭の硬い系のものは忌まれる傾向にあると思いますが、私がパフォーマーとしてやってきた中で、 沢山のパフォーマーさん達と触れ合った中で気付いたとても大事な事だと思います。 これはきっとなかなか答えや結果が出ないことだとは思いますがきっとバルーンパフォーマンーのレベルの底上げになると信じて、数年、十数年待ってみたいと思います。 (2014.6.30) |